前回までをまだ読まれていない方は
革のお話②からどうぞ!
前回タンニン鞣しが
流通全体の少ない割合ということを
最後に書きましたが、
今回説明するクロム鞣しが多く出回っています。
読み進めると理由がすぐに分かると思います!
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2…クロム鞣し
名前からなんとなく、想像がつくかもしれませんが
こちらは鉱物を鞣し剤として鞣します。
前回のタンニン鞣しは自然のもの、
今回紹介するクロム鞣しはケミカルなもの、
を使用して鞣す。という違いです。
このクロム鞣は
・短期間で鞣せる
・柔軟で薄く、軽く仕上げることが可能
・カビが生えにくい
・安く大量に鞣せる
という感じでタンニン鞣しでは出来ない事を人工的に
やれる。という感じです。
なので市販で出回っている革鞄、革靴の甲革(甲側の革)
など、クロム鞣のものがやはり多いです。
ただ、クロム鞣しは
革本来の経年変化を味わったり、クリームを入れ込み
育てていく感じのものではないです。
革の切り口(断面)を磨いてツルツルピカピカにする手法を
”コバ磨き”といいますが、
一般的にクロム鞣はコバ磨き出来ないと
言われていてわたし自身もそう思っていたのですが
今回のブログを書くにあたって調べてみたところによると、
どうやらクロム鞣しの革でもコバ磨き出来るみたいですね。
ですがtomoccaではコバ磨きはタンニン鞣しのみしかしません…!
☆タンニン鞣しとクロム鞣しの見分け方☆
断面を見るとかにおいをかぐとか色々あるのですが、
特別な革の知識が無い方でも見分けやすい方法を
書いていきます。
*柔軟性を確認‥お店ではなかなかやりずらいですが、
革を軽く引っ張ってみると
伸縮性のあるのはクロム鞣しである可能性が高いです。
タンニン鞣しは伸縮性があまり無く硬い革が多いからです。
ただ、加工方法や厚みによってタンニン鞣しでも
柔らかく伸縮するものもあります。
*傷があるかどうか‥店頭等に置いてある商品で爪の跡等
傷が付いているものはタンニン鞣しの可能性が高いです。
クロム鞣は傷が付きにくい。
*水で濡らしてみる‥少々手荒な方法ですが…。
タンニン鞣しは吸水性があるので水が染込みます。
シミになる可能性があるのでもし試される場合は
見えないところでどうぞ。
クロム鞣しは水をはじきます。
幾つか見分け方について書いてみましたが、
全てのものが一概に当てはまるわけではないので販売店などに
確認されるのが一番かと思います!
長く使える革製品だからこそ、自分はどんな革が好きなのか
その革ってどんなものなの?!を少しでも知って頂けたらと思います♪
(※参考文献 革の技法、tanned Leather)